可愛いスツルム殿

可愛いスツルム殿

 

セッの時、可愛いスツルム殿を苛めてる話 R-18


 眉尻が下がった顔は、快楽に惚けていて、双眸からぼろぼろと落涙していた。さっきまで必死に噛み締めて耐えていたのに今はひとつきする度に彼女は緩んだ唇から甘い声を響かせる。
 一回目の時は敵でも睨み殺すように険しい瞳で与えられる快楽に抗っていた。いつもそうだ。理性が崩れるのが厭で素直に快楽に耽溺してくれない。慣らした体はドランクが動く度に反応してきつく締めつけてくるのに、本人はそれに負けたくないようで強がってみせる。否、彼女はドランクに好きにされるのが腹立たしいのかもしれない。その様子はとても可愛いので余計、意地悪したくなるのだけど。
 だから二回目は、彼女が一度目の余韻から抜け出す前に始めた。達したばかりでくたりと弛緩する体を再び貫くと驚いたように両眼が見開かれる。やめろ、だとか、さっさとぬけ、だとか弱々しい罵倒が飛んできて、その体は逃げ出そうとするが、一回目で浸透させた快感に酔ったままでは上手く抵抗出来ないようで制圧は簡単だった。諦めて悔しそうに快楽を受け止める姿に仄かな嗜虐心が沸いてしまう。良心が傷むがそれ以上に強情な彼女をどろどろに溶かして、快楽に溺れさせたくなる。
 その彼女は恥ずかしがって表情を隠してしまうからその顔がよく見えるように片手で両腕を押さえたまま、腰を打ちつける。良いところを抉る度に泣き出しそうになる顔を眺めながら可愛い、と囁くとスツルムはまだ睨み返してくる。涙目で凄まれても、ただ煽られるだけで、律動の激しさが増すのにスツルムはいつまで経っても気づかないのである。
彼女のせいで中をぎちぎちと広げるように膨らんでしまったそれを叩きつけられ、声を押し殺しながらスツルムは達する。しかし、まだドランクには不十分でごめんね、なんて心もないことを言いながら快楽に震えている体躯を揺さぶり続けた。びくびくとうねる内側は気持ちよくて彼女が達しているのに止められない。
「ぁ、……やめ、あぁッ、うごく、なあ………」
押さえきれないか細い悲鳴が奥を突き上げる度に喉を鳴らす。押し寄せる快感にいやだと繰り返しながらもドランクが熱を吐き出すまで何度も意識を飛ばしたようで四肢に力が入らなくなったらしい。腕を解放してもぐったりと投げ出されて押さえ込む必要もなくなった。自由になった手で悪戯すると反応してきゅうと中を咥え込むものだからすぐにまたドランクのものは張り詰めてくる。
 堪らなくなって三回目は抜かないまま始めた。このくらいからスツルムは声を抑える余裕も無く、唇を噛み始めるものだから時折、口づけながら腰を動かす。恥ずかしがり屋な彼女は血が滲むほど食いしばるから仕方がない。後で魔法を使えば治せるけれど痛々しい傷跡をひとときでも唇に残すのは不本意だ。
 息継ぎの下手な彼女は長い口づけを終えると酸素を欲して唇を開くしかなくて、可愛らしい声も一緒にもらしてくれる。
「スツルム殿、可愛い……声、もっと聞かせて……」
「や、あ、あ、あっ、あぁ………!」
 ようやく聞ける甘い声が欲しくて彼女の弱い所を何度も押し上げる。次々と頬を伝う涙を舌先ですくいながら、中へ吐き出した。それすら快楽に変わるのかドランクがきつく掻き抱いた身を震わせて甘い悲鳴が上がる。
 全部出し切るとスツルムの小さくて狭い中はもういっぱいになったようで入りきらない分が溢れてきた。腰を引くと惜しむように吸い付いてくるものだから再び奥に沈めてしまう。小刻みに動くと短い呼吸を繰り返す唇は喘ぎ声に変わっていく。
時折、動きを止めると彼女はもどかしいのか腰を揺らす。可愛い。抱きあげて上に乗せれば、自分から動いてくれる。拙い動きだがすっかり惚けて恍惚じみた顔と揺れる胸を下から眺めているだけで充分だった。
「上手だね、スツルム殿、気持ちいいよ」
抱き寄せて頭を撫でる。夢中なのだろう。とろんとした瞳が一瞬だけドランクを写して、歪む。
上手く出来ないのか、ドランクにしなだれかかる体が少しでも快楽を欲して胸を擦り付けるように上下した。
「ん、、あ、あ、ッ……ぁ……」
ドランクには物足りない刺激だけど必死なスツルムは可愛くてぞくぞくするので当分はこのまま眺めるだけにとどめる。果たしてスツルムが達するまでどのくらいかかるだろうか。その瞬間に激しく突き上げたらどんな表情を見せてくれるだろう。想像しただけで体の芯が熱くなる。
 それから随分と彼女は頑張っていてようやくその時がきた。泣き声混じりの悲鳴を上げながら艶かしい体が痙攣する。
そこを見計らって、ごりごりと最奥を突くとドランクの思い通り快楽でぐちゃぐちゃになった顔で縋り付いてきて、堪らなかった。それが四回目だった。
 今は何回目だろう。体に絡みつく腕と脚ににぞくりとする。すっかり快楽に溶けた面を眺めながら、腰を押し付ける。ドランクのものと吐き出された精液で薄ら膨らんだ下腹部を指先でゆっくりと押せば、それだけで強い刺激を感じたのか甘やかに啼いて、体を震わせた。
「またイッちゃった? こんなのでスツルム殿、気持ちよくなっちゃうんだ」
一瞬、戻った瞳の鋭さはドランクが腰を振り始めるとすぐに消え失せ、快楽に陶酔する。
「ひ、あ……ああ、あっ、やあっ……!」
もうほとんど理性が残っていないのだろう。つき立られる爪の痛みすら心地よかった。
 なまじ体力があるせいでいつまでもスツルムは、快楽に晒され続ける。長引けば長引くほど可愛い反応が見られるのでドランクにはとても都合が良いのだけど。
 掠れた悲鳴と共に弓形にそれた腰を掴み奥を叩きながら次は後ろからしようと思った。スツルムが敷布や枕に爪立てて、なんとか快楽を逃そうとする姿はひどく興奮する。彼女の細い首筋に後ろから歯を立てると締めつけが強まるのもいい。
 ドランク、とたどたどしく名を模る唇を塞ぎながら、律動を早めて、収縮する中に促されるままもう何度目かわからない熱を吐き出した。


2021年8月9日